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2006.11.12

Intel Macに移行できない日本のMac業界

最近、mixiのMacコミュでも話題に上がることが増えた、Intel Macへの移行ですが、こと日本のDTP業界においては相当ハードルが厳しいようです。

  • PowerPC Macを使い続けるメリット
    • ソフトのアップグレードが不要なため、費用がかからない
    • ソフトウェアの互換性が高い
    • トレーニングコストが不要なため、今と同じ生産性を維持できる
  • デメリット
    • 本体が故障したら中古で調達するしかない
    • Mac OS 9起動可能な中古Macは高価なため、価格性能比が目減りしていく
    • Mac OS 9の根源的不安定さを抱えている
    • 周辺機器や補修パーツがいずれなくなる

日本では経産省の指導により、製造終了後6年間の修理パーツ保持が行われていますが、Mac OS 9起動可能なPowerMac G4は2003年くらいで製造終了になっていますから、2010年には正規の修理が行えるかかどうかわからなくなります。
駆動系、電源の故障はサードパーティから交換パーツが出回る可能性が高いですが、発熱によるコンデンサの容量抜けについては、半田ごてでコンデンサの交換修理をすることになるため、修理してくれる店は少ないと思われます。

では、Intel MacやWindowsに移行するといいか、というとメリットとデメリットが逆転します。

  • Intel Mac(or Windows)に乗り換えるメリット
    • 本体を新品にできるため性能が大幅に向上する
    • OSが大幅に安定するため、システムダウンによる生産性ダウンが軽減される
    • (Windowsは)バーチャルマシンソフトウェアで古いソフトウェア資産を使い続けることができる
  • デメリット
    • トレーニングコストが発生するため、生産性が一時的にダウンする
    • 古いバージョンのアプリで作成したファイルの互換性が落ちる
    • 周辺機器、ソフトウェア、フォントのバージョンアップが必要なため、イニシャルコストがかかる
    • セキュリティ問題が明らかになっているため、インターネット接続環境ではOSのメジャーバージョンアップを適時行う必要がある

など、費用面と互換性の面で問題が出てきます。
また、Adobe製品は過去3バージョンまでアップグレード可能、とポリシーを変更したため、Intel Mac対応のAdobe製品が出る前に一度最新版のアップグレードパッケージを調達しなければ、アップグレード価格で買えなくなる、など放置すれば移行コストが膨らむという問題も抱えています。

しかしながら、もうすぐモノが調達できなくなるのも事実ですから、企業活動を続けて行くなら、Intel Mac、またはWindowsに移行する計画を立てておくべきだと思います。
少なくともソフトウェア資産の棚卸しと移行コストの試算、スケジュールを検討しておかないと、移行に失敗して廃業せざるをえなくなるのは間違いないでしょう。

一番いいのは、AppleがClassic環境よりも互換性の高い、ハードウェアエミュレーションベースのMac OS 9バーチャルマシン環境を提供することですが、これは望み薄かもしれないですね。

今日の夕飯:丸亀 サバ味噌煮定食 ¥800

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Comments

製作環境をソフトごとドラスティックに変えることはできたとしても。IntelMacについてはソフト側で対応してもらわないと、新機種の導入には二の足を踏むことになるんだよね。
早いところ何とかしてもらいたい。

ただ、正直OS9が動かないマシンは印刷屋としては当分はメインには使えないね。今でもQX4.1は各デザイナーさんがもっとも使っているDTPソフトだからね。
もちろんInDesignも増えたし、ラインが分断化されるのを覚悟すれば、導入する意味はあるのだけど。

Posted by: Cyun | 2006.11.12 at 21:08

Cyun さん、コメントどうもです。

今のところAdobeもQuarkもIntel Macにフル対応したUniversal Binaryの日本語版ソフトを出していませんから、
・旧バージョンのアプリで作ったファイルを新バージョンで開いたときの問題
・新バージョンでの操作の違いによる問題
・出力サービスなど外部サービスや周辺機器を使用したときの問題
・PowerPC Mac OS XからIntel Mac OS Xに移行したときの問題
の4つの問題があるのは確かですね。

とはいえ、いずれニコイチ・サンコイチしないと完動品が手に入らなくなる(であろう)機械をずっと使うのも企業活動としてみれば最大のリスクです。
このへんは米国産牛肉が手に入らなくなった吉野家が取った対処などが考え方では近いのかもしれませんね。

Posted by: daishi | 2006.11.12 at 15:33

IntelMacはOSⅩ上のDTPソフトでも、互換性が原因と思われる問題(画像処理などで)が出てきてるみたいです。
いろいろ大変だ。

Posted by: Cyun | 2006.11.12 at 13:10

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