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2006.11.13

アウトソーシングは真の解決策か?

HottaWorld::「活・喝・勝」さんからトラックバック「ファブレス経営のススメ」をいただいたのでこれに関する記事を

昨今アウトソーシングは多かれ少なかれやっていると思いますが、企業の命運を握るようなプロジェクト、こと企業システムにおいてアウトソースしているところでアウトソース前より成功している、というところは聞いたことがありません。

この根本的な原因は、日本では「自分は詳しくないのでプロに任せる」という考えでアウトソースすることが少なからずあり、実体は「丸投げ」だからです。
すなわち、システム全体の調整を放棄してアウトソース先に丸投げして責任を取らせようとする体制が問題なのです。

企業システムは、企業の思想・哲学の具現化であり、この思想を他者に丸投げするということは、企業の命運そのものを他者に譲り渡すことに他なりません。
事実、IBMと巨額のアウトソース契約をしたJPモルガンチェースが合併を機に契約解除するなどの事例があります。
これは、JPモルガンチェースと合併したバンク・ワンのインソースIT活用が先進的でコアコンピタンスとなりえたから、ということ、およびアウトソース契約後はIBM側のサービス提供が消極的だったことが大きく影響しているようです。
つまり、アウトソースしてもコストメリットが全くなく、むしろ足かせになる場合が少なからずある、ということです。

「詳しいことを知らないけど、これを売りたいからアウトソース」というのはカモにされるだけでメリットがありません。
例えば、GPUを製造しているAMD合併前のATIやNVIDIAは自社で半導体工場を持たないファブレス企業ですが、半導体設計は彼ら自身で行い、製造時の問題解決はファウンドリと協力して擦り合わせを行っています。
ですから、彼らが半導体を知らない、ということは全くなく、コアコンピタンスを理解した上で活用している、ということです。

また、垂直統合のように呼ばれるiPod+iTunesですが、iPodの製造においては水平分業で部品レベルでは色々な企業がかかわっています。
それをApple自身がトップで統制し、ロードマップを作り上げることでApple製品として作り上げています。
初期のiPodがアウトソースを利用したのはリスクを最小限度に抑えるための手段であり、丸投げではない、ということがポイントです。
他にも、iBookやPowerBook、MacBookといったノート製品もODMで中国・台湾企業が製造していたりしますから、Appleは自社の強みを理解した上でアウトソースを活用していることが言えますが、このレベルに達している企業が日本にどれだけあるのでしょうか?

ですから、アウトソースして問題ないところというのは、法律で定められているなど、どこのサービスを利用しても大きな違いのない「日用品化した」部分であり、自己分析のないまま企業のコアコンピタンスをアウトソースするのは滅亡の道を歩むことになります。
この辺は孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。彼を知らずして己を知るは一勝一敗す。彼を知らずして己を知らずは戦えば必ず破れる」の言葉のとおりだと思います。

ま、ぶっちゃけて言えば「御宅に任せる」「プロにお任せください」なんて言葉を発注元も受注先も額面通りに受け取っては問題が多すぎるんですよ、ITサービス業界は(笑)

今日の夕飯:プリングルス(笑)

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